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椰子の実、伊良湖岬 [イラスト]

伊良湖岬S.jpg

 

椰子の実、伊良湖岬


 島崎藤村が親友柳田国男に聞いた話をもとに詩を書いた「椰子の実」。大中寅二が曲をつけラジオ放送された昭和11年(1936年)は、日本では二・二六事件の後軍備拡張と大陸の権益確保のみならず南方進出の方針が決定され年末には日独防共協定締結、欧州ではヴェルサイユ条約を破棄し再軍備したナチス・ドイツがラインラントに進駐、スペインではフランコ将軍の反乱による内戦が勃発、中国では張学良が蒋介石を拘束する西安事件が起き国共合作への道が開かれるという情勢で、世の中は戦争へと急速に傾斜し破滅への道を突き進んでいた。

 大学のため故郷を離れ、一人旅に出たのははるか昔。「・・・いずれの日にか国に帰らん」の言葉が刻まれたこの碑に思わず瞳が潤んだ伊良湖岬は、打ち寄せる黒潮と白砂の浜辺が今も私を魅了してやまない。

 



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