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京都百万遍 [京都]

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京都百万遍

 まだカルチェ・ラタンの雰囲気が色濃く残っていた百万遍界隈。ここ進々堂はパリに遊学したオーナーが現地の喫茶店を再現せんと昭和5年に創業したもの。店内の重厚な木のテーブルは名匠黒田辰秋の手になる。昭和8年、時の文部大臣鳩山一郎が軍と右翼の圧力に屈し、京都大学教授滝川幸辰の講演内容を理由に休職を命じ、後に京大事件と呼ばれる騒動が起きた。学問の自由に介入する権力に対し、教授らは一団となって抵抗するが、圧倒的な力の前に多くは教壇を去り、日本は中国大陸から太平洋へと続く戦争の道 を突き進むことになる。末川博、恒藤恭ら事件当事者、彼らを強く支持した同志社の田畑忍、鶴見俊輔といった優れた教授らに身近に接することができた学生時代、日本は荒廃の中に立ち上がり若々しい力がみなぎっていた。ゲバラが、ケネディが、ラッセル、サルトル、ドラッガーがとうに去り、昨年サリンジャーがひっそり旅立って、青春と呼ばれた時代が終わったことを実感する。



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