祇園祭 宵山 [京都]
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祇園祭宵山
大きな町家 が消えてビルになり、宮川町にマンションが建ち、哲学の道が公園のように整備され、ダムのような醜悪な駅が聳えて、京都の町は大きく変貌した。自動車通行の邪魔とばかりに路面電車を撤去して地下鉄を作ったが、モグラのように地下を走る車窓からどんな京都が見えるというのだろう。
1864年7月15日（旧暦6月5日）祇園祭宵々山の夜、近藤勇を隊長とする新選組は木屋町の池田屋に集まっていた勤皇浪士を襲撃した。池田屋事件である。新しい日本を担う若い有為の人材が凶刃に倒れた。新選組の絶頂期だった。しかし僅か3年後には鳥羽伏見の戦いで新選組はほぼ壊滅し歴史は大きく変わっていった。たかだか１５０年ほど前のことだ。
これに対し祇園祭は当初宮廷の行事であったものが室町時代に町衆の祭りとして再興され、中断はあるものの1000年も続く。その規模、豪華さ、日本を代表する祭りと言ってよい。この祭りがあまりに観光化したと憂える声も一部にあるが、オリンピックだ、万博だと政官民がグルになって人気取りや利権のために行ってきたイベントとは歴史も心も違うと思う。
※有松：有松絞りの浴衣
