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京都洛北芹生 [京都]

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京都洛北芹生

 京都市北部は北山と呼ばれ、日本山岳会で活躍した若き日の今西錦司や西堀栄三郎たちが渉猟し馴れ親しんだ山地で、芹生はそんな山の中の林業を生業とする里である。芹生に行く道はいくつかあるがどれも楽ではない。だから芹生の里人が京都の市内に出てくるのもまた大変である。羊腸の小径を辿って峠を越え貴船に出るか、渓流に沿って道を下り灰屋に出るのが普通だが、雪の季節の苦労は尋常ではないだろう。サルトルが主唱する「アンガージュマン」を熱く語る友人との議論に疲れ、ふらっと乗った京都バスを終点で降りて熊笹の中を魚谷峠まで登る。「隠れ里がある」と話していた洛北高校出の友人の言葉を思い出し、山鶯のさえずりを背に芹生を目指したのだった。



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