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明日香村石舞台 [イラスト]

石舞台小.jpg

明日香村石舞台

 明日香は梅の似合う村である。西国三十三カ所巡礼第七番札所である岡寺から坂道を下ってくると明日香村の丘や畑が眼の前に拡がり、梅が香る草原に転がる巨石が目に止まる。上を覆っていた土が長い年月に流され石室が地表に露出した古墳で、蘇我馬子の墓と伝えられるが定かではない。
 明日香は日本の国の揺籠であった。倭国の王権が強化統一され、都を置き「日のいずる国」すなわち日本と名乗る。百済や高句麗から僧が渡来して仏教が伝えられ、朝鮮から技術者もやってきて飛鳥文化が花開く。蘇我馬子はこの仏教伝来に乗じて聖徳太子とともに政敵を倒して権力を握り、仏教文化を発展させ後の白鳳文化や天平文化の魁となった。
 現代の石舞台は、生垣に囲われ芝生やソメイヨシノが植えられて公園化が進み、花の季節には夜間ライトアップが行われると聞く。若き日に訪ねたあの明日香村はもうない。



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