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京都 鳥居本 [京都]

鳥居本S.jpg

鳥居本

 化野念仏寺まで来ても鳥居本まで足を延ばす観光客は少なかった。
嵯峨野も山陰線の線路を渡るとこれといっためぼしい店もなく自動販売機などない時代のことだ。念仏寺の入り口に吊るされた「お志し」と書かれた竹筒に小銭をいれて境内を見学した後、ぶらぶらと愛宕神社の鳥居まで来た。鳥居を挟んで筍料理や鮎料理を提供する平野屋とつたやが新緑の中に静かな佇まいをみせ、まさに京の奥座敷といった風情である。鳥居前の三叉路を左へとると金鈴峡を経て山陰線保津峡駅に至る。紅葉の時期にはハイカーで賑わうが、普段は閑散として谷川のせせらぎの音と鳥の鳴き声が聞こえてくるばかりである。

 平野屋の前に派手な外車が止まっていて、
室町あたりの帯問屋の若旦那とおぼしき人が芸妓と舞子に車に乗るように促していた。新たに開通した嵐山高尾パークウェイにドライブに来て、帰途昼食をとりに寄ったのだろうか。室町も西陣もまだ元気な時代だった。

 



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