白川女 [京都]
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白川女
銀閣寺道から山中越えに向かう道は白川に沿ってなだらかに登ってゆく。途中の北白川神社前の広場では、これから市内に出かける白川女たちがめいめいの今日行く場所を話し合っているのだろうか、年配の女性を中心に談笑していて、白川の瀬音が絶え間なく聞こえていた。新宿駅西口広場を追われ下宿に転がり込んだ友と明け方まで語り合い革命と恋の悩みを聞かされたのは、まだ北白川に残っていた花畑に矢車草が揺れるさわやかな日だった。彼の思いはついに実を結ぶことなくただ傍観するだけの群衆の中に消え、その後僕は反戦活動に身を投じ、下宿は警察の手入れを受けることになった。